コタツと鍋っ子遠足

暗い寒い眠い朝。

帰宅したらコタツが出ていた。

両親は朝飯をここ数日雑炊にしているらしい。体も温まるし古米も消費できるしねというので大いに賛成する。

早く新米できりたんぽ焼いて食べなくちゃと言う。来週はまたぐっと寒くなるみたいでお父さんタンクに灯油入れたのよ。週末鍋もいいねと言う。

鍋といえばわが県の子どもたちが鍋を持って出かけ、行った先でみんなで鍋を囲む「鍋っこ遠足」という行事がある。

主に小中学校で行われ、私の住んでた地域はリヤカーを近所の農家から借りてガスコンロや調理器具一式を積んで河原まで歩いて行った。

献立決め、買い出し、役割分担、リヤカーの貸し出し交渉まで全て子どもが行うので今思えばかなり学ぶことは多かったいい行事だったと思う。

人気メニューは豚汁やきりたんぽ、フルーチェあたりだったか。

鍋っ子遠足は時代とともに衛生面だとか安全面だとかその他もろもろでほとんどの地域で廃止になった。

当時の写真が１枚整理していたら出てきたことがあった。

多分私は小学3年生ぐらい。皆が満面の笑みで写っている中、ピンクのチョッキを着て三つ編み姿の私は違う方向を見てぼんやりしていた。

遠足は町内会単位で行われていたけど、当時両親は町内会に参加しておらず、居心地が悪かったし、苦手なマラソン大会も同時に開催されていたので多分気持ち悪かったんだと思う。

それでも今でも秋晴れの日は、今日は鍋っ子遠足日和だなあと思う。